損金算入(損金・損金不算入)とは
損金とは、法人税の課税所得を計算するときに益金から差し引ける費用・損失のことで、会計上の費用であっても税法の要件を満たさなければ損金に算入できません(損金不算入)。M&Aでは、買主が取得した営業権(のれん)やソフトウエアの償却費、売主側の役員退職金などが損金算入できるかどうかで、取引の実質的なコストが変わります。
「経費で落ちる」を法人税の言葉で言うと「損金に算入できる」です。法人税は益金から損金を差し引いた所得に課されますが、会計上の費用がすべて損金になるわけではありません。役員報酬は定期同額給与などの要件を満たす分だけ、交際費は一定の限度まで、寄附金は限度額まで、減価償却費は法定の耐用年数と償却方法で計算した額までしか損金にならず、超えた部分は損金不算入として課税所得に足し戻されます。会計上の利益と税務上の所得の差はここから生まれ、税務調査で否認されるのも多くはこの境界です。
M&Aの買主にとって最も大きいのは、取得した資産の償却です。事業譲渡で取得した営業権(のれん)は税務上5年で均等に償却でき、ソフトウエア(自社利用目的)も5年で償却できるため、譲渡代金のうちこれらに配分された金額は5年間にわたって損金になります。逆に、代金の内訳が契約書に無く「事業一式」で買った場合、どの資産にいくら配分したかを買主が自ら合理的に説明しなければならず、否認されると償却そのものが認められないこともあります。売主側では、譲渡直前に支給する役員退職金や特別功労金が過大と判断されて損金不算入になる例が典型的です。
RIKKA M&Aでは、基本合意後に売主と買主が譲渡代金の内訳(対価の配分)を合意して契約書の別表に記載でき、税金・手取りシミュレーターは買主向けに営業権5年・ソフトウエア5年の償却で各年いくらが損金になるかを数字で示します。損金算入は法人の話であり、個人の売主にとっての対応概念は必要経費です。損金算入の可否は取引の実態と証憑で決まるため、個別の判断は税理士に確認する事項です。