印紙税(課税文書と電子契約)とは
印紙税とは、印紙税法の別表に掲げられた課税文書を作成したときに課される国税で、契約書の記載金額に応じて収入印紙を貼って納付します。事業譲渡契約書は営業の譲渡に関する契約書として課税文書に当たりますが、電子契約のように電磁的記録で作成し書面を作らない場合は課税文書に該当せず、印紙税はかかりません。
印紙税は「文書」に課される税です。印紙税法は課税文書を別表第一で20種類に列挙しており、不動産・無体財産権(特許権・著作権等)・営業の譲渡に関する契約書は第1号文書、請負に関する契約書は第2号文書、金銭の受取書は第17号文書に当たります。税額は記載された契約金額に応じて段階的に決まり、第1号文書なら記載金額が100万円超500万円以下で2,000円、500万円超1,000万円以下で1万円、1,000万円超5,000万円以下で2万円です。納付は収入印紙を貼って消印する方法で行い、貼り忘れると本来の税額の3倍(自主的に申し出た場合は1.1倍)の過怠税がかかります。
M&Aでは、事業譲渡契約書は営業の譲渡に関する契約書として課税文書になり、株式譲渡契約書は原則として課税文書に当たりません(株式は印紙税法上の譲渡対象財産に列挙されていないためです)。契約書を2通作成して各当事者が保管する場合は、2通とも課税文書です。ただし、電磁的記録で作成し、書面を作成しない契約は課税文書に該当しません。国税庁の質疑応答事例は、契約の成立を証する文書を電子データとして作成し電子メールで送信しても、印紙税の課税文書を作成したことにはならない旨を示しています。電子契約サービスで締結し、PDFを印刷して控えにしても、その印刷物は「写し」であって課税文書にはなりません。
RIKKA M&Aの事業譲渡契約は、電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」で締結し、契約書 第16条第2項で電磁的記録により作成し書面を作成しないことを定めているため、印紙税は課されません。取引の進捗ページの「契約締結の進め方」の末尾にも、この根拠を国税庁の出典へのリンク付きで表示しています。譲渡代金が数百万円から数千万円になる事業譲渡では2万円から6万円の印紙税が不要になる計算で、紙で契約書を作らない実務上の利点の一つです。