株式譲渡とは

かぶしきじょうと Share Transfer M&A・取引基礎

会社の株式(持分)を売主から買主へ移転し、会社ごと経営権を引き継ぐM&A手法。事業を運営する法人そのものを丸ごと取得する点が事業譲渡と異なります。

株式譲渡は、対象事業を運営する会社の株式を買主に売り渡し、法人格を維持したまま経営権を移転する手法です。会社が締結している契約・許認可・従業員・負債なども原則そのまま引き継がれるため、移転手続きは事業譲渡に比べてシンプルになりやすい一方、簿外債務や潜在リスクも一緒に承継する点に注意が必要です。

デジタル事業の文脈では、その事業が単独の法人として運営されている場合に株式譲渡が選択肢になります。会社ごと引き継ぐため、個別の資産移管が不要で取引先との契約も継続しやすい反面、買主は対象会社の過去の税務・法務リスクまで引き受けることになるため、デューデリジェンスの重要性が高まります。表明保証(レップス)で売主が会社の状態を保証する設計が一般的です。

数十万〜数千万円規模の小規模なデジタル事業では、法人化されていない個人運営や、1法人で複数事業を持つケースも多く、その場合は会社ごと売る株式譲渡より特定事業だけを切り出す事業譲渡が選ばれることが少なくありません。どちらが適するかは事業の保有形態次第であり、一般的にはこの違いを理解したうえで譲渡対象範囲を検討することが出発点になります。