クロージング条件(CP・前提条件)とは

くろーじんぐじょうけん Conditions Precedent M&A・取引基礎

クロージング条件とは、最終契約の締結からクロージング(取引の実行)までに満たされていなければならない前提条件(Conditions Precedent)で、表明保証が真実であること、必要な許認可や第三者の同意が得られていること、重大な悪影響が生じていないことなどを定めます。条件が満たされなければ当事者はクロージングを拒み、契約を解除できます。

M&Aでは最終契約の締結日とクロージング日が別であることが普通です。締結からクロージングまでの間に、許認可の取得、取引先からの契約承継の同意(チェンジオブコントロール条項への対応)、金融機関の融資実行、競業避止や引継ぎに関する付随契約の締結などを済ませる必要があるからです。クロージング条件は「これが揃ったら実行する」という約束で、揃わなければ実行義務は生じません。買主にとっては、締結後に判明した問題から抜け出す出口であり、売主にとっては、買主が恣意的に降りられないよう条件を限定する交渉事項です。

典型的な条件は、①相手方の表明保証が締結日およびクロージング日において真実かつ正確であること、②相手方が契約上の義務(誓約事項)を履行していること、③必要な許認可・届出・第三者同意が得られていること、④対象事業に重大な悪影響(MAC)が生じていないこと、⑤差止めなどの法的障害がないこと、です。サイト売買では、ドメインのレジストラ移管、ASPや広告アカウントの承継可否、ライセンスの譲渡承諾、アプリストアの移管適格性が、③に相当する現実的な条件になります。

RIKKA M&Aの取引フローは、クロージング条件を順序ゲートとして組み込んでいます。事業譲渡契約の締結後、買主の振込と入金確認、売主の資産移管、買主の検収が順に完了して初めて成約となり、代金が売主へ動きます。資産移管が期限内に完了しなければ買主は契約を解除でき、振込がなければ売主が解除できるため、当事者が条件不成就を理由に取引から抜ける手段が契約書ではなくシステムの操作として用意されています。出品前に譲渡準備チェックで名義やアカウントの移管可否を確認しておくことは、クロージング条件を締結前に潰しておく作業に相当します。