FBA・Amazonセラーアカウント(Amazon出品事業の譲渡)とは
FBA(Fulfillment by Amazon)は保管・梱包・発送などをAmazonの物流拠点に委託するサービス、Amazonセラーアカウントは出品用のアカウントです。Amazonの規約は事前の書面による同意のないアカウントの譲渡・売却を認めておらず、他の種別とは譲渡の手続きが異なります。
Amazonで商品を売る事業は、自社ECサイトとは資産の構造が違います。集客はAmazonの検索と商品ページが担い、物流はFBAが担い、決済も返品もAmazonの中で完結します。事業の実体は、セラーアカウントに紐づく商品ページ(ASIN)・レビュー・在庫・仕入先との関係であり、ドメインもサーバーもありません。だからこそ、アカウントを引き継げるかどうかが取引のすべてになります。
Amazonの出品者向け規約(Amazon Services Business Solutions Agreement)は、アカウントや契約上の地位をAmazonの事前の書面による同意なく譲渡・売却することを認めていません。実務上は、①法人名義のアカウントを法人ごと株式譲渡する、②Amazonに事業譲渡を申し出て名義変更の審査を受ける、③買主が新規アカウントを作って商品ページの管理を移す、のいずれかになりますが、③ではレビューと販売実績が引き継げず、②はAmazonの判断に依存します。ブランド登録(Brand Registry)は商標に紐づくため、商標権の譲渡と登録の変更が別途必要です。FBAの在庫はAmazonの倉庫にあり、返品や長期保管手数料が発生し続けるため、在庫の評価と引き渡し時点の確定が必要です。仕入先との取引条件が売主個人の信用に基づく場合、買主が同じ条件で仕入れられる保証はありません。
RIKKA M&Aでは、出品種別「ECサイト・Amazonセラー」の中で「EC区分」(ECサイト(Shopify・楽天・自社ECなど)/Amazonセラー)を分け、Amazonセラーは自動の所有権確認ができない(確認ファイルを設置できず、他人のドメインはSearch Consoleに登録できない)ことと譲渡リスクを案件に表示します。出品フォームには「ストアURL」(ECサイトのURLまたはAmazonのストアフロントのURL)・「FBA利用」・「出店プラットフォーム」・「リピート購入率」の項目があり、譲渡準備チェックのEC向け設問にはAmazon出品用アカウントの軸が加わります。事業健全性スコアの「規約遵守」軸は、Amazonの規約に抵触する運用の懸念を評価対象にしています。