サーバーレス・Edge Runtime(コールドスタート)とは
サーバーレスとは、サーバーの管理をクラウド事業者に任せ、関数単位で処理を実行して実行時間や回数に応じて課金される方式(AWS Lambda、Cloudflare Workers、Vercel Functionsなど)です。Edge Runtimeは利用者に近い拠点で軽量に実行する環境で、コールドスタートは呼び出しが途切れた後の初回実行に起動時間がかかる現象を指します。
個人開発やスタートアップのAIプロダクト・SaaSは、サーバーを持たずにVercelやCloudflare、AWS Lambdaの上で動いていることが増えました。固定費が無く、アクセスが無ければほぼ無料で、スケールも自動です。買主から見ると「インフラの運用が要らない」利点の裏に、事業がそのプラットフォームのアカウントと機能に一体化しているという引き継ぎ上の性質があります。
技術デューデリジェンスで見るべき点は4つです。①ロックイン——サーバーレスの実装はプロバイダ固有のAPI(Workers KV、Durable Objects、Lambdaのイベント形式、Vercelの画像最適化など)に依存しやすく、他のクラウドへ移すには書き直しが要ります。Edge Runtimeは通常のNode.jsと互換性が無い部分があり、使えるライブラリも限られます。②コスト構造——従量課金は成長すると固定サーバーより高くつくことがあり、無料枠の中で動いていた事業は買主の課金プランで別の請求になります。③コールドスタート——利用が少ない時間帯の初回応答が遅く、決済やAPIのタイムアウトに影響します。④ローカルでの再現性——本番と同じ環境を手元で作れないと、買主は障害時に何も検証できません。
資産移管の観点では、サーバーレスの事業は「サーバーを移す」のではなく「プロジェクトをアカウント間で移す」か「デプロイし直す」ことになります。環境変数(APIキー・シークレット)、ドメインの紐づけ、KVやデータベースの中身、cronやキューの設定が、コードとは別に移管対象です。RIKKA M&Aの技術DDはリポジトリの構成と依存を検査し、譲渡準備チェックはDNSがCloudflareやAWSのアカウントに紐づいていないかを実測します。出品フォームの「ホスティング・サーバー」「技術スタック」に、これらの構成を申告する項目があります。