著作権・肖像権(コンテンツの権利侵害)とは
著作権は文章・写真・イラスト・動画・プログラムなどの創作物を保護する著作権法上の権利、肖像権は自分の容貌をみだりに撮影・公表されない判例上の人格権です。有名人の肖像や氏名が持つ顧客吸引力を保護するパブリシティ権も判例で認められています。他人の画像や文章を無断で使ったサイトを買うと、権利者からの削除請求や損害賠償請求を買主が引き継ぐことになります。
WEBメディアやまとめサイト、SNSアカウントの価値はコンテンツにありますが、そのコンテンツの権利が売主にあるとは限りません。外注ライターの記事、フリー素材と思って使った写真、ニュースサイトから転載した画像、芸能人の写真をサムネイルにした動画。著作権法は著作物を無断で複製・公衆送信する行為を禁じ(著作権法 第21条・第23条)、違反には差止め・損害賠償のほか刑事罰があります。肖像権は法律の明文ではなく判例で認められた人格権で、本人の同意なく容貌を撮影・公表する行為が社会生活上受忍すべき限度を超えるかで違法性が判断されます(最高裁 平成17年11月10日判決)。有名人の肖像・氏名の顧客吸引力を無断で商業利用する行為はパブリシティ権の侵害となります(最高裁 平成24年2月2日判決)。
M&Aで問題になるのは、権利侵害の責任が事業とともに移ることです。事業譲渡でコンテンツを引き継いだ買主は、以後の掲載について自らが侵害の主体になります。譲渡前の侵害についての賠償責任は原則として売主に残りますが、権利者が削除や賠償を求める相手は現在の運営者である買主です。外注コンテンツについては、著作権が発注者に譲渡されているか(契約書に著作権譲渡と著作者人格権の不行使が書かれているか)が要点で、これが無いと買主は記事を改変することも二次利用することもできません。動画や画像を大量に扱う事業では、素材のライセンス条件(商用利用可否・クレジット表記・再配布)を一つずつ確認する必要があります。
RIKKA M&Aの事業健全性スコアは「法的リスク」の軸で著作権・商標・薬機法・特商法への抵触リスクを評価し、他社画像の無断使用の懸念があれば低スコアの要因になります。譲渡対象物の申告と、契約書の表明保証(売主が譲渡対象の権利を正当に有し第三者の権利を侵害していないこと)が、買主の防御線です。エビデンス資料の「契約・所有権資料」区分には、外注契約書やライセンス契約書を含めることを推奨しています。