売り手向け

デジタル事業を売却する売り手向けに、安全に・適正な価格で成約するための実務知見を扱うカテゴリです。仲介業者の選び方、買収後サポートの適切な線引き、買い手に不安を与えないための法令遵守・情報開示のポイントなど、成約後のトラブルを防ぐための売り手側の備えを解説します。

ブログ売却でアドセンスは引き継げない

ブログ売却では記事もドメインもサーバーも渡せるが、収益を生んでいるアドセンスのアカウントだけは譲渡できない。広告収益が事業ではなく「人」に紐づく構造と、売り手の月間収益が買い手の手元で再現されない理由を、価格交渉への織り込み方まで整理する。

サイト売却の相場を消す被リンク依存

サイト売却の相場「月間利益の24ヶ月分」の倍率とは、その利益が何ヶ月続くかの予想でしかない。有料リンクや自作自演リンクで順位を支えた事業は継続月数が読めず、倍率が下がるのではなく倍率という計算自体が成立しなくなる。価格が消える構造と取り戻す手順を整理する。

個人開発の売却を止めるアカウント名義

個人開発の売却を止めるのは、コードでも売上でもなくアカウント名義である。ストア・クラウド・決済・ドメイン・ASPの名義を「移管できる/アカウントごと渡すしかない/規約上譲渡できない」の3レベルで判定し、売り手の棚卸し手順と買い手の移管可能性DDを整理する。

中核ノウハウがプロンプトに閉じ込められた事業

コードは薄いのに競合を上回るAIプロダクトの競争優位は、試行錯誤の末にたどり着いた「プロンプト」という暗黙知に宿る。問題はそれが一人の頭の中にしか体系的に存在しないこと。不可視性と属人化の構造、移管できないことによる価値毀損、文書化・バージョン管理・帰属というDDの実務を整理する。

AIチャットボットの誤回答は誰が賠償するのか

カスタマーサポートをAIに置き換えた事業では、チャットボットの誤回答(ハルシネーション)が顧客に与えた損害の賠償責任は事業者に帰属し、買い手は事業ごと承継する。海外の賠償事例、免責規約の限界、ログ・ガードレール・保険という法務DD項目を整理する(法的助言ではなくDD論点の整理)。

ファインチューニング済みモデルは誰のものか

自社専用にファインチューニングしたモデルは、動いていても引き渡せるとは限らない。「重み」の所在、学習レシピと環境の再現性、ベースモデルの商用条項、学習データの来歴という4つの盲点と、四点開示と再学習リハーサルの実務を移管DDの観点で整理する(法的助言ではなくDD論点の整理)。