LTV/CAC比・CAC回収期間とは
顧客生涯価値(LTV)を顧客獲得コスト(CAC)で割った比率と、CACを回収するまでの月数。獲得した顧客が投じたコストに見合うリターンを生むかを示し、事業の採算性を端的に表す。
LTV/CAC比は、1人の顧客が生涯にもたらす利益(LTV)が、その顧客を獲得するのにかけた費用(CAC)の何倍かを示す。一般に3倍以上が健全な目安とされ、1倍に近いと獲得すればするほど薄利、1倍未満なら獲得するほど赤字を意味する。CAC回収期間(ペイバックピリオド)は、月次の粗利でCACを何か月で取り戻せるかを示し、短いほどキャッシュ効率がよい。
デジタル事業M&Aでは、この比率が高い事業は「お金をかければ伸ばせる」再現性のある成長エンジンを持つと評価されやすい。逆に比率が低い、または回収期間が長い事業は、広告依存で買収後に獲得を続けると資金繰りを圧迫する恐れがある。LTVは前提(チャーン率や粗利率の見積もり)次第で大きく動くため、楽観的なLTVと過小評価されたCACを掛け合わせた数字を鵜呑みにしない姿勢が落とし穴回避の鍵になる。
観点として、CACに何を含めるか(広告費のみか、人件費・ツール費も含めるか)で比率は変わる。また、ネガティブチャーンが効く事業ではLTVが時間とともに上振れし、比率がさらに改善する。RIKKA M&Aの技術デューデリジェンスやBHS(事業健全性スコア)が見る収益持続性とも整合し、単発の数字ではなく前提の妥当性まで確認することが望ましい。