月商倍率とは

げっしょうばいりつ Revenue Multiple 事業評価・査定

月商倍率とは、事業価値を月間売上(月商)の何倍かで表す評価指標です。利益が安定しない成長期の事業や、売上が将来の収益力を示すSaaS等で補助的に使われますが、利益を伴わない売上を過大評価しやすい点に注意が必要です。

利益倍率が「いま手にできる利益」を基準にするのに対し、月商倍率は売上規模に注目します。先行投資で赤字でも売上が急成長しているスタートアップや、解約が少なく将来の利益が見込みやすいSaaSなど、現時点の利益だけでは価値を測りにくい事業の評価で参照されます。一方で、利益の出ていない売上に倍率を掛けると価値を過大に見積もりやすく、買い手が高掴みする典型的な落とし穴になります。

月商倍率を使う際は、その売上がどれだけ利益に変わるか(利益率)と、どれだけ続くか(継続性)を必ず併せて見る必要があります。同じ月商でも、原価率が低く解約率の小さいSaaSと、広告費を大量投下して維持しているECでは、妥当な倍率がまったく異なります。デジタル事業の多くは利益倍率を主軸にしつつ、月商倍率は売上の質を補足的に確認する指標と位置づけるのが安全です。

RIKKA M&AのAI査定は基本的に月間利益を基準としつつ、ARR/MRRやチャーンレートといった売上の質を示す指標を踏まえて目安を算出します。BHS(事業健全性スコア)の収益持続性・エビデンス整合性の軸が、表面的な売上規模ではなく「続く売上か」を裏づけます。