M&A コラム

ノーコード事業に値段はついても、移管できない

ノーコード事業の本質は「値段はつくが移管できない」非対称性にある。収益は本物でも、Bubble・STUDIO・Webflowの内部に閉じたロジックは独立して所有できない。プラットフォーム別ロックインの実態、再構築コストの減点、価値を顧客・ブランド・データへ移す評価、ノーコードでも価値が成立する条件を整理する。

Notion・Confluenceに眠るAPIキー

社内Wiki(Notion・Confluence)は知識資産であると同時に最大の機密漏洩源だ。手順書に平文で貼られた本番DB接続情報・APIキー・秘密鍵、退職者の残存アクセス、Web公開ページの検索インデックス。機密スキャンとローテーション、アクセス権の棚卸し、セキュリティ衛生をバリュエーションに織り込む方法を整理する。

財務系M&A仲介が技術DDを永遠にできない構造

財務系M&A仲介が技術DDを実施できないのは怠慢ではなく、人材構造・評価指標・インセンティブの構造的欠陥だ。財務諸表という共通言語の上に最適化された業態が技術品質を評価対象外に置く帰結として、買い手は隠れ負債を満額で買い、売り手は技術資産を安く売る。買い手・売り手の対処を整理する。

SPF・DKIM・DMARC崩壊で顧客メールが届かない

DNS移管でSPF・DKIM・DMARCが引き継がれないと、送信ログは成功でも顧客の受信箱にメールが届かない。パスワードリセットも請求書も迷惑メール直行。各認証がDNSとESPのどこに存在するか、DMARC rejectの自滅、レピュテーション資産、移行の順序設計、バリュエーション反映を整理する。

Cron jobs引継ぎ漏れで月次売上が消える

M&Aのサーバー移行で、誰も存在を知らなかった月次請求バッチが引き継がれず、定期売上が丸ごと消える。OS/アプリ/外部SaaSに散在する定期処理の捜索範囲、ジョブ台帳化、タイムゾーンと多重実行の落とし穴、収益クリティカルなバッチの停止感応度、バリュエーション反映とチェックリストを整理する。

LLM API依存度で測る事業の脆弱性指数

AI機能搭載SaaSのM&Aでは、LLM API依存を「脆弱性指数」として定量化する必要がある。切り替えコストを構成する5要素(プロンプト最適化・ファインチューニング/埋め込みロック・抽象化レイヤー・出力密結合・評価再現性)、価格改定/モデル廃止/規約変更の三大リスク、バリュエーション補正とDDチェックリストを示す。

App Store・Google Play所有権移管の壁

スマホアプリ事業のM&Aは、AppleとGoogleの移管プロセスを通過しなければ所有権が移らない。App Transferの阻害条件、Google Play署名鍵の喪失リスク、サブスクリプション入金経路の切替、外部SDK紐付けの棚卸し、移管可能性をバリュエーションとクロージング条件にどう織り込むかを整理する。

SaaSにMCPサーバーを嵌め込んだ企業価値

「MCPサーバー実装済み」はSaaSの加点要素だが、事実だけでは不十分だ。仕様変更が頻発するMCPの引き継ぎリスク、認証・トランザクション管理を手抜きしたMCPの潜在負債、プレミアム評価と平凡評価を分ける分水嶺(OAuth 2.1準拠・冪等性・最新追従)とDDチェックリストを買い手視点で整理する。

Vibe Codingが生む“資産価値ゼロ”の事業

非エンジニア創業・開発3か月・人件費ほぼゼロのSaaS。財務は美しいがリポジトリは重複・無テスト・平文ログの山。Vibe Coding産の事業を買収側のバリュエーション視点でどう測り直すか、EBITDA40〜60%ディスカウントの根拠、例外的に価値が残る3条件、アーンアウト設計とDDチェックポイントを整理する。