Google Analyticsだけ見て買うな

Google Analyticsだけ見て買うな。技術的DD(デューデリジェンス)を無視したM&Aの末路
売上やPV数などの表面的な数字だけでWebサイトを買うと、技術的負債・セキュリティホールを抱えたシステムを掴まされるリスクが高い。既存の仲介業者はソースコードを評価できないため技術DDが機能しておらず、買い手はリスクを、丁寧に開発してきた売り手は正当な評価を、それぞれ失っている。

M&Aプラットフォームを開けば、「月間アクセス数〇〇万PV!」「月利100万円の手放し運用!」といった華やかな数字が並んでいます。買い手の経営者や非エンジニアの投資家たちは、Google Analyticsの右肩上がりのグラフと、立派に成形されたエクセルの事業計画書を見て、歓喜しながら多額の資金を投じます。

しかし、その「金を生む箱」の蓋を開けてみたら、中身がツギハギだらけのガムテープで止められた爆弾だったらどうしますか? サポートがとっくに切れた古いプログラム言語で書かれ、セキュリティホールだらけで、前任のエンジニア以外誰にも解読できない「スパゲッティコード」の塊だったとしたら?

既存のM&A仲介業者やプラットフォームは、その箱の中身を絶対にチェックしません。なぜなら「彼らはコードが読めないから」です。手数料を取ることだけを目的とした業者の怠慢によって、買った瞬間に修復不可能な負債を抱え込む買い手と、美しいコードを書いたのに正当に評価されない売り手が大量に生まれています。

本記事では、自ら250時間残業の極限状態でコードを書き、月間アクセス6,000万PVの掲示板サイトをワンオペで回して絶望を味わってきた「泥臭い実務家」の視点から、技術的DD(デューデリジェンス)を無視したM&Aの恐ろしさと、RIKKA M&Aが実装する「業界を根底からひっくり返すキラー・フィーチャー(GitHub連携DD)」について赤裸々に語ります。

プラットフォームとコンサル業者が隠す「黒い箱」

プラットフォームとコンサル業者が隠す「黒い箱」

売上とPV数という麻薬

Webサイトやシステムを買収しようと検討する際、真っ先に見るのは「売上」「利益率」そして「PV数」でしょう。当然です。ビジネスとして投資をする以上、回収の見込みが立たなければ意味がありません。

しかし、この「数字」こそが買い目の判断を狂わせる麻薬です。Google Analyticsの美しいグラフや、Stripeの決済履歴は、あくまで「表層的な結果」に過ぎません。その結果を生み出している「エンジン(システム)」が今にも焼き付きそうなのか、それとも堅牢に設計されているのかを、数字だけで判断することは不可能です。F1カーのエンジンを積んでいるのか、それとも原付のエンジンを無理やり改造して時速100キロを出しているのか。表側の速度計(売上)を見ているだけでは、いつ大破するか誰にも分からないのです。

なぜ彼らはシステムの中身を見ないのか?(答え:見られないから)

驚くべきことに、現在乱立しているWebサイト売買プラットフォームや、M&Aコンサルタントを名乗る業者の99%は、ソースコードの中身やサーバーのインフラ構成を一切確認しません。「サーバー移管のサポートをしますよ」とは言っても、それは単に引っ越し業者の手配をするだけであり、引っ越し先でそのシステムが安全に稼働し続ける保証など何一つしていないのです。

なぜ精査しないのか。理由は非常にシンプルで、「彼らはエンジニアではないから」です。プログラミングの基礎すら知らない彼らにとって、ソースコードはただの宇宙語です。「我々は場所を提供しているだけ」「見えない瑕疵については責任を負わない」という免責事項を盾にして、見えないふりをして手数料だけを抜いていく。これがM&A業界に蔓延する強烈な闇の正体です。

パワポだけが立派な「無責任な仲介」の実態

私はこれまで、見栄えの良いパワーポイントの資料を作るだけで、実務のリスクを全く理解していない「コンサルタント」を数多く見てきました。彼らは「将来性があります!」「AIを組み込めばさらに伸びます!」と耳障りの良い言葉を並べます。しかし、いざシステムを引き継いで不具合が起きると「開発者と直接話してください」と逃げ出します。

技術的なリスクを評価できない人間が、システムの売買を仲介するなど本来あってはならないことです。不動産で言えば、シロアリに食い尽くされたボロボロの柱を隠したまま、「外装が綺麗で家賃収入があるから」と高い金で売りつけるようなものです。こんな無責任な取引が日常的に行われている現状に、私は強い怒りを感じています。

買った瞬間に爆発する「技術的負債」の時限爆弾

買った瞬間に爆発する「技術的負債」の時限爆弾

スパゲッティコードとレガシーシステム

技術的負債(テクニカルデット)」という言葉をご存じでしょうか。目先の機能実装を優先した結果、コードが複雑に絡み合い、ちょっとした修正でシステム全体が停止してしまうような状態(俗に言うスパゲッティコード)のことです。

これに加えて恐ろしいのが古い枠組み(レガシーシステム)の放置です。例えば、公式のセキュリティサポートが何年も前に切れた古いバージョンのPHPやフレームワークで動いているサイトは、ハッカーからすれば「いつでも侵入できる空き巣状態」です。これを見抜けずに買収すると、アップデートするだけでシステムを最初から作り直す羽目になり、買収金額以上の開発費が追加で吹き飛ぶことになります。

開発者がドロップアウトした瞬間、システムは死ぬ

買収後に「あれ?この機能どうやって動いてるの?」とコードを見たエンジニアがパニックに陥るケースは後を絶ちません。ドキュメント(設計書や仕様書)が存在せず、変数の名前も適当、さらにはデータベースのパスワードがソースコードに直書きされているなど、元の開発者の頭の中にしか存在しない「秘伝のタレ」で動いているシステムです。

個人開発で作られたシステムにこの傾向は強く見られます。元の開発者がサポート期間を終えてドロップアウトした瞬間、そのシステムは事実上「誰もいじれないブラックボックス」と化し、機能追加はおろか、エラーの修正すらできずに緩やかに死を迎えます。ビジネスが成長するどころか、現状維持すら不可能なガラクタを大金で買わされるのです。

情報漏洩リスク(セキュリティホール)という致命傷

もし買収したサイトに脆弱性があり、ユーザーの個人情報やクレジットカード情報が漏洩したらどうなるでしょうか?「前の持ち主が作ったバグだから」という言い訳は通用しません。運営責任は現在のオーナーである買い手にあり、億単位の損害賠償訴訟、メディアによる報道、そして企業の信用失墜という取り返しのつかない大ダメージを受けます。

技術的DDを行わずにWebシステムを買うということは、時限爆弾のタイマーが見えないまま「たぶん爆発しないだろう」とロシアンルーレットの引き金を引くようなものです。私は過去に理不尽な不当訴訟を経験していますが、買い手側が正当な理由なく訴えてくるのとは別に、技術的欠陥による「本物の訴訟リスク」は絶対に排除しなければならないのです。

売る側(エンジニア)の魂を「ただの数字」にするな

売る側(エンジニア)の魂を「ただの数字」にするな

綺麗なコードは評価されないという絶望

ここまでは買い手側のリスクを語ってきましたが、これは同時に「売り手(エンジニア)の悲劇」でもあります。

最新の技術トレンドを追いかけ、セキュリティに気を配り、誰が見ても分かりやすい保守性の高い美しいコードを書いたエンジニアがいるとします。しかし、既存のプラットフォーマーや無責任なコンサルタントは、その「システムの内部品質の高さ」を1円たりとも評価しません。評価されるのは目に見えるアクセス数と利益だけだからです。

職人が丹精込めて作った芸術品のようなシステムも、素人がコピペでツギハギした脆いシステムも、売上が同じなら同じ価格で査定される。この残酷で理不尽な市場構造は、モノづくりの現場で血と汗を流してきた人間に対する最大のリスペクトの欠如だと言わざるを得ません。

泥臭い監視と保守へのリスペクト

私自身、月間6000万PVまで成長させたサイトでは、荒らし対策やNGワードの自動監視、そしてサーバー負荷との孤独な戦いを毎日のように続けていました。

「手放しで月100万円の不労所得です!」などという甘い言葉の裏には、必ず誰かの泥臭いエラー対応や、夜も眠れずにインフラを見守る情熱が存在します。システムの真の価値とは、フロント側のデザインだけでなく、その地道な運用の歴史と、トラフィックを耐え抜いたアーキテクチャ(構造)そのものに宿るのです。それを正当に評価し、買い手へと繋ぐことこそが、本来の「仲介」の役割であるべきです。

RIKKA M&Aが起こす大革命:「GitHub連携AI技術DD」

RIKKA M&Aが起こす大革命:「GitHub連携AI技術DD」

技術DDの外部委託は高すぎるというボトルネック

「じゃあ、買う前に専門の技術者にコードを監査(技術DD)してもらえばいいじゃないか」と思うかもしれません。しかし、現実はそう甘くありません。

優秀なエンジニアや専門企業に技術DDを依頼すると、どれだけ安くても数百万の費用と数週間の時間がかかります。数億円規模の大型M&Aならいざ知らず、数百万〜数千万円規模のスモールM&Aにおいて、そんな高額な監査費用を払えば買収自体の旨味が消滅してしまいます。これが、既存のプラットフォームで技術DDが全く根付かない絶対的なボトルネックでした。

AIがGitHubリポジトリを瞬時にスコア化する未来

だからこそ、私はこの絶望的なボトルネックを「技術の力」で完全に破壊する決意をしました。現在、RIKKA M&Aではこの業界の常識を根底からひっくり返すキラー・フィーチャーを構想(開発)しています。それが、「GitHubリポジトリ連携を用いた、AIによる技術DDの自動評価・スコア化機構」です。

売り手がシステムのソースコードが管理されているGitHub(コードの保管庫)のアカウントをRIKKA M&Aに連携するだけで、独自のAIエージェントが瞬時にソースコードの全貌を解析します。

最新のライブラリが使われているかという「レガシー度」、コードの可読性や複雑性を示す「保守性」、致命的な脆弱性が潜んでいないかの「セキュリティリスク」。これらすべてが、AIによって「A〜Eランク」のような形で可視化・スコア化され、買い目となる「技術レポート」として自動生成されるのです。

買い手は安心を、売り手は正当な評価を得る「真のプラットフォーム」へ

この機能が実装されれば、非エンジニアの経営者であっても「このサイトは売上は高いが、セキュリティ判定がEランクの地雷だからやめておこう」「このアプリはPVはまだ少ないが、コードのスコアが非常に高く拡張性があるので買いだ」と、専門家顔負けの確信を持って投資判断を下せるようになります。

さらに、丁寧に綺麗なコードを書いてきたエンジニア(売り手)は、自らの血と汗の結晶が明確にスコア化され、買収金額に正当に上乗せして評価されるようになります。

パワポだけで責任を取らないコンサルタントには、こんなシステムは逆立ちしても作れません。現場で250時間の残業をこなし、深夜にサーバーの再起動を祈るように叩いてきた技術屋だからこそ作れる「真の防衛網」です。

表面的な数字だけで騙し合うM&Aはもう終わりにしましょう。RIKKA M&Aは、この「技術DDの民主化」を通じて、買い手の身を徹底的に護り抜き、売り手の魂を正当に讃える、本当に安心で誠実な売買プラットフォームを世に問います。ご期待ください。

この記事の著者

RIKKA M&A 編集部

これまで4回の事業譲渡を実現。上場企業にてエンジニア、制作ディレクション、SEO事業立ち上げを歴任。副業で始めた複数の掲示板サイトを国内最大規模まで成長させて事業譲渡。日本のM&Aに透明性と精度をもたらすべく、デジタル事業のM&Aプラットフォーム『RIKKA M&A』を立ち上げ。