GRR(総収益維持率)とは

じーあーるあーる Gross Revenue Retention 事業指標・KPI

既存顧客から得ていた収益のうち、解約やダウングレードによる減少分を除いて維持できた割合。アップセルによる増収を一切含めないため上限は100%で、収益基盤の「守り」の強さを示す。

GRR(Gross Revenue Retention/総収益維持率)は、一定期間の初めに存在した既存顧客の収益が、解約・ダウングレードでどれだけ目減りせずに残ったかを測る。アップグレードや利用量増加による上乗せ(拡張収益)を加えない点がNRRとの決定的な違いで、計算上100%を超えることはない。たとえばGRR 90%なら、何もしなければ年に1割の収益が自然流出する基盤だと読める。

デジタル事業M&Aやサイト売買では、GRRが事業の「底の堅さ」を表す。NRRが120%でも、それがごく一部の大口顧客の増額で底上げされているだけで、実はGRRが80%と低い(多くの顧客が抜けている)ケースがある。GRRとNRRを並べて見ることで、収益成長が新規・拡張に支えられているのか、それとも流出を辛うじて補っているだけなのかを切り分けられる。買主は譲渡後に放置しても崩れにくいかをここで確認する。

観点として、GRRはサブスク型・継続課金型の事業価値評価で特に重視される。RIKKA M&AのBHS(事業健全性スコア)が評価する収益持続性や、AI査定の収益継続性調整とも考え方を共有する。低いGRRは将来キャッシュフローの割引要因となり、価格目安にも影響しうる。